ビョウインノゴハン’

病院調理のあれこれについて書く こるうすのブログ。

病院食の展開のこと(調理師視点)

お疲れ様です。俺です。

今日は病院食の展開について、簡単に書いていこうと思う。

うちは急性期病院と呼ばれる、患者さんの出入りが割りかし激しいとこなので、毎日様々な容体の患者さんが運ばれてくる。

展開というのは、その患者さんがそれぞれ どこがどう悪いか違うから、その種類ごとに変化をつけて調理しようねって事を指す。

調理師視点というのは、栄養士さんほどよくわかってない…という言い訳的理由もあるが、より調理員的視点で、展開によって重視する箇所とか。その辺りを書けたらと思う。

書いてて思ったが、すごく長くなりそうだったのでざっくりと書いていきたい。

では以下から説明。

常食

普段食べてる食事と変わらないレベルのもの。油でガンガン揚げるし、味もちゃんと濃い(美味しい)。野菜も歯応えがあった方が良い和え物などはシャキッとさせる。

1番は美味しくさせる事を重視するし、1番数が多いのも常食。内臓系に問題は無い患者さんとか、怪我で入院してる方とかは、多分これ。多分な!

全粥

お粥食。分かりやすく言うと、具合悪いなーって時に消化の良いもの食べるイメージ。

主食はご飯→お粥にフォームチェンジ。例えば親子丼の時は、上の具を別皿に分けて提供。(これを親子煮と呼ぶ)*1

歯応えがあるものは柔らかめに仕上げるし、揚げ物や、消化に悪い食材はNG(きのこたけのこ等)

エネルギー制限/塩分制限/タンパク質制限

エネルギー(=糖質)制限は、砂糖に代わる甘味料を使ったりする。この人たちの酢の物には砂糖が入ってないから味がなんというか、かなり違う。砂糖って美味しいんですねって再認識。

塩分制限は、そのまんま、薄味。

ただ、薄味でも美味しく食べて貰えるよう努力はしてる。例えば煮物だったら出汁をしっかり効かせるとか。限界は、あるけども。ぶっちゃけてしまうと、

作る側も美味しさよりも薄味である事を重視する。

常食よりもちゃんと薄くなってるかな〜って部分。味がする=美味しいのは周知の事実だものね。

タンパク質制限は、この人たちは上記2つの制限とは(調理側からすると)毛色が違って、例えば焼き魚が、魚のフライになったりするし、切干大根の煮物が、はたまたスパゲティソテーになったりもする。献立がまるっきり変わる=品数が増える事と同義だったりするので単純に大変だったりする。

ちなみにエネルギー+塩分制限とか、タンパク質+塩分制限とかもあるので、多少複雑。

以上が、大まかな展開であるが、脂質制限などの一定数の少ない展開は省略。

 

この上に更に形態の展開が絡んでくるが、それはまた今度書こうと思う。

*1:中華丼の時は、八宝菜と言い切る。異論は認める。